売り込まない営業で3,000社支援してわかった、ひとり社長が「お願いされる側」になる3ステップ設計

「営業が苦手で……でも売上は上げなきゃいけない」

この矛盾に悩むひとり社長は、想像以上に多い。

海十です。35年のITコンサル歴で3,000社・12,500人を支援してきた私が、今日お伝えしたいのは「売り込まない営業」の具体的な設計方法です。

実は、売り込まないセールスというのは「手を抜く」ことではありません。むしろ「相手を徹底的に観察して、先に与える」という高度な設計が必要です。

この記事では、私自身がリストラ後の44歳から実践してきた「先に与えること(先義後利)」を軸にした3ステップを、できる限り具体的にお伝えします。


目次

30秒でわかる結論

  • 「売り込まない営業」とは、相手が「お願いしたい」と思う状態を先につくる設計のこと
  • ステップ1は「観察」── 相手が何に困っているかを言語化する前に気づく力
  • ステップ2は「提供」── 見返りを求めずに先に価値を渡す(これが先義後利の本質)
  • ステップ3は「設計」── 提供の導線を仕組み化して、自動的にお願いされる状態を作る
  • AIツール・LinkedInなどのデジタル手段も、この3ステップの「設計」フェーズで初めて効く

なぜ「売り込まないセールス」が今のひとり社長に必要なのか

私がITコンサルタントとして独立したのは、リーマンショックでリストラされた44歳の春でした。

東京・新橋の居酒屋で皿洗いのアルバイトをしながら、次の一手を考えていた時期があります。その頃の私には、豪華な営業資料も、大きな会社の看板も、何もありませんでした。

あったのは「相手の話を聞いて、先に何かできることをする」という、ただそれだけの習慣です。

ズバリ言ってもいい?

当時の私がやっていたことは、今でいう「売り込まない営業」そのものでした。名刺を配って「私にできることがあれば」と言い続けた結果、半年後には口コミだけで仕事が入るようになっていました。

それから35年。3,000社・12,500人を支援する中で気づいたのは、「売り込みが苦手な人ほど、設計次第で売り込まないセールスが得意になる」ということです。

ひとり社長の営業苦手の9割は、「やり方を知らないだけ」です。性格の問題ではありません。


ステップ1「観察」── 相手が言葉にする前に困りごとを見つける

商談相手の表情や仕草を観察しているビジネスシーン・相手目線で考えるイメージ

売り込まない営業の出発点は、「相手が何に困っているか」を言語化できる前に察知することです。

多くのひとり社長が間違えるのは、自分のサービスを説明することから始める点です。相手はまだ「あなたのサービスが必要かどうか」すら判断していません。

では、何を観察するのか。私が使っている3つの視点をお伝えします。

①「最近うまくいっていないこと」を引き出す質問を持つ

ノートに質問リストを書いている手元・ヒアリングシートのイメージ

私がBNIの東京のチャプターで2万人近くの経営者と会ってきた中で気づいたのは、うまくいっていない人には「共通の言いにくさ」があるということです。

「売上が下がっている」「新規が取れない」というのは、実は表面の症状にすぎません。その奥に「何が原因かわからない」「誰に相談すればいいかわからない」という本当の困りごとが隠れています。

だから最初の会話は「最近、ビジネスで一番頭を使っていることって何ですか?」という質問から始めます。これだけで、相手は10分は話してくれます(笑)。

②SNSやLinkedInの投稿から「本音」を読む

現代の「観察」は、リアルの場だけではありません。

LinkedIn営業の活用という観点でいえば、相手のプロフィールや投稿を事前にチェックするだけで、何に関心があるか・何に悩んでいるかが相当わかります。

私はLinkedIn北海道会の会長として多くの経営者と接してきましたが、SNSで「本当に困っていること」を投稿できる人はほとんどいません。だからこそ「行間を読む力」が、売り込まないセールスの最初の武器になります。

③ChatGPTで相手の業界の「潜在課題」を事前リサーチする

ChatGPT営業活用の具体例として、私がよくやるのは「〇〇業界のひとり社長が、売上を上げる上で直面しがちな課題を5つ挙げてください」というプロンプトを使う方法です。

これは営業リスト作成にも使えますが、むしろ「相手への共感の準備」として使うのが私の流儀です。

AIは道具です。使う人間の設計力がすべてを決めます。ChatGPTをいくら使っても、「観察」の目的意識がない人には、ただの情報収集で終わります。


ステップ2「提供」── 見返りを求めずに先に渡す、これだけで差がつく

観察ができたら、次は「先に与える」フェーズです。

ここが、売り込みなし集客の核心部分です。

先義後利とは「先に与えること、利益は後からついてくる」という考え方です。私はこれを35年間、一貫して実践してきました。

ここだけの話、これが最初は「損してる」と感じる人がほとんどです。でも3〜6ヶ月続けると、「あの人に頼もう」という流れが自然に生まれ始めます。

「提供」の具体的な3形式

  • 「情報提供型」── 相手に役立つ記事・事例・ニュースを「これ参考になると思って」と一言添えて送る
  • 「紹介型」── 相手が困っていることを解決できる人を無条件でつないでいく(BNIで鍛えた技術です)
  • 「コンテンツ型」── ブログ・SNS・動画で相手の悩みに答えるコンテンツを先に公開しておく

私が1000日連続でWAKUTUBEのライブ配信を続けたのも、この「提供型」の設計です。毎日、見ている人の何かの役に立つ情報を先に渡し続ける。その積み重ねが、今の「お願いされる状態」を作っています。

売り込まないセールスというのは、実はこの「提供の継続」以外にありません。継続が苦手な人は、AIを使って仕組み化する(これがステップ3です)。


ステップ3「設計」── お願いされる仕組みを作って、営業から解放される

観察して、提供して、それを「設計」として仕組み化する。これが3ステップの最後にして最重要のフェーズです。

AI集客の自動化というキーワードで検索する人が増えていますが、自動化の前に「何を自動化するか」の設計がなければ、ツールは機能しません。

設計の「型」── 3つの導線を作る

  • 「発見の導線」── GoogleやAI検索で見つけてもらえるコンテンツ(ブログ・YouTube・LinkedIn投稿)
  • 「信頼の導線」── 発見した人が「この人は本物だ」と思える実績・事例・エピソードのページ
  • 「接触の導線」── 自然に「話を聞いてみたい」と思って問い合わせてくれる仕組み(無料相談・セミナーなど)

私がWOBS(ワクワクオンラインビジネススクール)で教えているのは、まさにこの「設計」の部分です。

受講生の多くは、最初「自分には発信できるネタがない」と言います。でも観察→提供のステップを経ると、「こんなに伝えることがあったのか」と気づきます。

AIを使った集客設計の実際

生成AI営業活用の事例として、私が実際にやっていること。

ChatGPTに「私はITコンサルタントで、40〜50代のひとり社長が対象です。この層が最も悩んでいることを10個挙げ、それぞれに対して先に提供できる価値を考えてください」というプロンプトを使います。

これだけで、1週間分のSNS投稿のネタが出てきます。AIは「設計の補助」として使う。人間の体験・共感・信頼は、AIには代替できません。

AIで営業はなくなるのか、という問いに対する私の答えはシンプルです。「売り込む営業」はなくなる。でも「信頼を先に与える営業」は、むしろ価値が上がります。


一人社長が「お願いされる側」になった実際のストーリー

私が札幌でBGF(ビジネス交流の場)を立ち上げた時のことをお話しします。

最初の参加者は7名でした。場所代は私が持ちました。告知費用も私が出しました。見返りを求めず、「この人たちが何かつながれれば」という思いだけで動いていました。

3ヶ月後、参加者の一人から「海十さん、うちの会社のITを見てもらえませんか」と連絡がきました。

「売り込んだ覚えが全くない」。それが私の感想でした(笑)。

BGFはその後、北海道の経営者ネットワークとして広がり、今でも私のビジネスの大切な基盤になっています。先に与え続けたことが、3年後・5年後の仕事になって返ってきています。

これが「先義後利の営業設計」の、リアルな時間軸です。

「先に与えること」は、投資です。しかも、やり方さえ正しければ必ず返ってくる投資です。


営業が苦手な一人社長に起きがちな「3つの誤解」

誤解1「発信すれば売れる」

SNSで発信を始めたのに集客できない、という相談が後を絶ちません。発信は「提供」の一形態ですが、「観察」なしに発信しても、相手の心に届きません。

まず観察。次に「この人に届けたい」という相手を決めてから発信する。順番が逆だと、どれだけ投稿しても反応は来ません。

誤解2「いいものを作れば勝手に売れる」

「いいものを作っているのに売れない」という経営者は多い。でも「いいもの」は必要条件であって、十分条件ではありません。

相手があなたを「信頼できる」と感じる導線が設計されていなければ、どんなにいい商品も届きません。

誤解3「売り込まないと数字が作れない」

これが最大の誤解です。売り込まないセールスは「何もしない」ではありません。「先に与える行動を仕組み化する」という、より能動的なアプローチです。

私自身、44歳でゼロから始めて、売り込みを一切せずに3,000社を超える支援実績を作ってきました。時間はかかりますが、再現性は高い。


私が実際に使った・読んだもの

売り込まない営業の設計を深めるために、私が実際に読んで「自分の血肉になった」本を紹介します。

つながり力の教科書(和久井海十 著)

私自身が書いた本です(笑)。BNIで2万人と会って気づいたことを全部詰め込みました。

「売り込まない営業」の具体的な動き方が、章ごとに実例つきで書いてあります。私の体験談が詰まっている分、読んでいてリアリティがあると言っていただけることが多い本です。

GIVE & TAKE(アダム・グラント 著)

先義後利を「学術的に証明してくれた1冊」として、私はこの本を読んで心の底から救われました。

「先に与える人が最終的に一番成功する」という事実を、膨大なデータで示してくれます。感覚でやっていたことを、ロジックで確認できた瞬間でした。

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代(Amazon)

完訳 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー 著)

BNIで出会った経営者の多くが「人生を変えた1冊」に挙げる本です。私も40代の再起の時期に何度も読み返しました。

「win-winか、取引しない」という考え方は、売り込まない営業の設計にそのまま使えます。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復(Amazon)

人を動かす 文庫版(デール・カーネギー 著)

営業の原点。読み返すたびに発見があります。

カーネギーが言う「相手の関心に関心を持つ」は、ステップ1の「観察」そのものです。80年以上前に書かれた本が、今でも最前線の営業教科書になっています。

人を動かす 文庫版(Amazon)

ゼロ・トゥ・ワン(ピーター・ティール 著)

競争しない場所で勝負する。小さな会社ほど効く考え方が詰まっています。

売り込まない営業の設計でいえば、「競合と同じことをしない」というポジション設計の部分で、この本の視点が役立ちます。

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(Amazon)


比較表でわかる選び方

5冊の本を並べた比較イメージ・用途別に選ぶための一覧表

書籍名 読む目的 難易度 ひとり社長への効果 先義後利との関連
つながり力の教科書 売り込まない営業の実践 ★☆☆(やさしい) ◎ 即実践できる ◎ 直結
GIVE & TAKE 先に与える哲学の理解 ★★☆(普通) ◎ マインド変容 ◎ 直結
完訳 7つの習慣 人格主義の営業基盤作り ★★★(じっくり系) ○ 長期的効果大 ○ 間接的
人を動かす 人間関係・傾聴の基本 ★☆☆(やさしい) ◎ 即使える ○ 間接的
ゼロ・トゥ・ワン 競争しないポジション設計 ★★☆(普通) ○ 戦略思考に効く △ 補足的

「今すぐ動けるものから読みたい」なら「つながり力の教科書」か「人を動かす」を先に。

「なぜ先に与えると成功するのかを理解したい」なら「GIVE & TAKE」が一番早い。


よくある質問

Q1. 売り込まない営業は、結局どのくらいで効果が出ますか?

海十の経験では「3〜6ヶ月」が目安です。ただし、これは「先に与えることを継続した場合」の数字です。

月に1〜2回しか行動しない場合は、もっと時間がかかります。継続の仕組み化(ステップ3の設計)をどれだけ早く作れるかが、期間を左右します。

Q2. 一人社長が営業が苦手な場合、まず何から始めればいいですか?

まず「今、あなたのサービスで助かった人」を1人だけ思い出してください。その人に「最近どうですか?困っていることはありますか?」と連絡を入れることから始めてください。

売り込みは一切不要です。ただ、聞くだけでいい。その1通が、売り込まない営業の第一歩です。

Q3. ChatGPTやAIを使えば、観察や提供も自動化できますか?

「補助」はできます。「代替」はできません。

ChatGPT営業活用という文脈でいえば、「相手の業界課題のリサーチ」「提供コンテンツの構成案出し」「LinkedInメッセージの下書き」には使えます。

ただし、「あなたへの信頼」はAIでは作れません。最終的には人間の温度感・体験・継続が信頼を作ります。

Q4. 売り込まないセールスと、普通の集客・マーケティングは何が違うのですか?

普通のマーケティングは「広く知ってもらって、その中から買う人を引き出す」設計です。

売り込まないセールスは「特定の相手との信頼を深めて、自然にお願いされる状態を作る」設計です。

ひとり社長には、後者の方が圧倒的に再現性が高い。なぜなら、リソースが少ないからこそ「深く・長く・確実に」の関係設計が効くからです。

Q5. 先義後利の考え方で動くと「都合よく使われる」のでは?という不安があります。

この質問、本当によく受けます。

先に与え続けると「搾取される」と感じる人がいますが、それは「与える相手を選んでいない」状態です。

GIVE & TAKEの研究でも明らかになっているように、ギバー(先に与える人)の中で最も成功するのは「与える相手を見極めている人」です。全員に与える必要はありません。「この人は本気でいい仕事をしたいと思っている」と感じる相手を選んで、先に与えることから始めてください。


もっと深く実装したい方へ ── WOBS

WOBSの受講生が笑顔でオンライン受講している場面・リモートで学ぶ経営者のイメージ

この記事で紹介した「観察→提供→設計」の3ステップを、6ヶ月かけてしっかり実装したい方のために、WOBS(ワクワクオンラインビジネススクール)があります。

40〜60代の経営者を対象に、「先義後利の営業設計」「マインドブロックの解除」「AI実装」の3本柱で学ぶ講座です。

私が直接関わる先義後利営業モジュールでは、この記事で紹介した3ステップをあなた自身のビジネスに落とし込む作業を、実際に手を動かしながら進めていきます。

受講料は120万円ですが、まず無料体験セミナーで雰囲気を確かめてください。合わなければそれでいい。合うと感じたら、一緒にやっていきましょう。

WOBS(ワクワクオンラインビジネススクール)の無料体験セミナー詳細はこちら


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まとめ

売り込まない営業の本質は「先に与えること」です。

44歳で新橋の居酒屋で皿洗いをしながら再起した私が、35年かけて3,000社を支援できたのは、売り込みをしたからではありません。相手を観察して、先に提供して、それを仕組みとして設計し続けたからです。

今日からできることは、たった1つです。

「今、あなたのお客さん、または会いたい人に、何か先に渡せるものはないか」を考えて、今週中に1つ実行してみてください。

  • ステップ1「観察」── 相手が言葉にする前に困りごとを察知する
  • ステップ2「提供」── 見返りを求めずに先に価値を渡す
  • ステップ3「設計」── 提供の導線を仕組み化して、お願いされる状態を作る

この3ステップは、ひとり社長の営業苦手を解消するだけでなく、あなたのビジネスを「信頼の資産」で動かす設計への転換です。

金曜日の今夜、この記事を読んでくれたあなたに、少しでも「来週からやってみよう」という気持ちが芽生えてくれたなら、書いてよかったと思います。

感謝の気持ちを込めて。


※当サイトには一部アフィリエイトリンクを含みます。実際に自分で使っているものだけを紹介しています。

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この記事を書いた人

ひとり社長プロデューサー・WOBS校長。35年のITコンサル経験と、BNI・倫理法人会での約2万人の経営者支援実績を持つ。著書4冊。LinkedIn・YouTube・noteで「売り込まずに選ばれる」AI×つながり力を発信中。お問い合わせは公式サイトへ。

和久井海十(わくいかいと)
セルフメディアエイジェント株式会社 代表取締役
わくにい|IT音痴のサロン経営・個人事業主向けAI行列販売マスター
IT音痴のあなたへ、最新のAIを使えるようになる販売方法を教えます^^
▷サラリーマン時代3社にヘッドハンティングされ、4回の社長賞受賞
▷AI販売コンサルタントで億の売上達成
▷「人を動かす技術」著者
▷AI行列販売マスタープログラムセミナー
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