
「売り込まない営業」を学ぼうと思って本を探したとき、棚に並ぶタイトルが多すぎて何から読めばいいのかわからなくなった経験、ありませんか。
ズバリ言ってもいい? 本は「読んだかどうか」じゃなく「使ったかどうか」が全てです。
僕は35年間ITコンサルとして3,000社・12,500人を支援してきた中で、売り込まずにお願いされる状態を作るために、これらの本を繰り返し手に取ってきました。今日はその書棚を、そのまま実況しようと思います。
この記事の要点(30秒でわかる)

- 「売り込まない営業」は技術ではなく、先に与えること(先義後利)の哲学が土台になっている
- ひとり社長・経営者が営業本を選ぶとき、「テクニック本」より「原則本」を先に読むべき理由がある
- 本の選び方には順番があり、順番を間違えると読んでも行動が変わらない
- 和久井海十が実際に読み込んだ5冊を、使い方・読みどころ込みで紹介する
- 本を読んだ後の「実装の場」がなければ知識は眠ったまま。WOBSはその実装の場として機能する
なぜ「売り込まない営業」の本が今、求められているのか

リアルの人脈はある。紹介も来る。でも、自分から新規を獲りに行こうとすると、なぜか足が重くなる。
40代・50代のひとり社長や先生業の方から、こういう相談を本当によく受けます。
これは意志の問題ではありません。「売り込む」という行為そのものが、今の時代のビジネス設計と合っていないからです。
インターネットとSNSが普及して、お客さんは「買う前に調べる」のが当たり前になりました。情報格差がなくなった時代に、プッシュ型の営業は信頼を下げる方向に働くことがある。
だからこそ「売り込まない営業」というキーワードで検索する人が増えている。そして本棚を探す。
ただ、ここに一つ落とし穴があります。「売り込まない営業テクニック」を探して本を買っても、本の内容を実践する土台となる「哲学」がないと、テクニックだけ浮いてしまうんです。
今日紹介する5冊は、その哲学から順番に積み上げられるように選んでいます。
1冊目:人を動かす(デール・カーネギー)──営業の原点はここにある

書棚の一番左に置いてある本です。もう何十回読んだかわからない。
カーネギーが言う核心は「相手の関心に関心を持て」です。これは営業テクニックじゃない。人間関係の原則です。
僕がリストラされて44歳で東京・新橋の飲食店で皿洗いのアルバイトをしていたとき、この本を読み返しました。当時の僕は「次の仕事どうしよう」という自分の不安でいっぱいだった。でもカーネギーはこう言うんです。「相手が何を欲しているかを語れ」と。
自分の話をするのをやめて、目の前のお客さんや一緒に働くスタッフに関心を向け始めたとき、状況が少しずつ変わり始めました。人に関心を向けることが、結果的に自分の次の一手を開いてくれたんです。
ひとり社長の営業に悩んでいる方に、最初に手に取ってほしい1冊です。
読みどころは「人を動かす三原則」と「人に好かれる六原則」の章。ここを繰り返し読むだけで、営業に対する構え方が変わります。
2冊目:完訳 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)──「信頼口座」という概念が全て

BNIで出会った経営者の多くが「人生を変えた1冊」に挙げる本です。
BNIというのはビジネスネットワークの団体で、僕は東京でその活動と出会いました。そこで2万人近くの経営者・ビジネスパーソンと会う中で気づいたことがあります。「売れている人」は例外なく、相手の信頼口座に先に預金している、ということです。
7つの習慣の中でも「Win-Winを考える」と「まず理解に徹する」の章は、売り込まない営業の設計図そのものです。
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」。これを実践すると、お客さんから「あなたに頼みたい」と言われる頻度が変わります。
分厚い本ですが、最初から全部読まなくていい。「信頼口座」と「第4・第5の習慣」の章だけ先に読んで、後から全体に戻ってください。
3冊目:GIVE & TAKE(アダム・グラント)──先に与えることを学術的に証明した1冊

「先に与えること」──僕はこれを「先義後利」と呼んでいます。相手への貢献を先に、利益は後からついてくる、という考え方です。
でも、これを経営者仲間に話すと「きれいごとじゃないの?」と言われることがある。そういう方に渡すのがこの本です。
ペンシルベニア大学ウォートン校の組織心理学者アダム・グラントが、膨大なデータと実例で「先に与える人(ギバー)が長期的に最も成功する」ことを証明しています。
キーワードは「賢いギバー」です。すべてを与え続けて自分が疲弊するのではなく、相手と自分の両方にとって価値ある与え方をする人が最終的に勝つ、というロジックが丁寧に描かれています。
僕がWOBSで教える「ギフトの循環」の考え方は、この本の議論ともぴったり重なります。先義後利の本を探している方にも、まずこの1冊を薦めます。
GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代(Amazon)
4冊目:マネジメント エッセンシャル版(ピーター・F・ドラッカー)──ひとり社長にこそ必要な「貢献から始める」思考

ここだけの話、ドラッカーはビジネス書の棚に並んでいるけれど、本質は「哲学書」だと思っています。
エッセンシャル版は分厚いドラッカー全集のエッセンスを一冊にまとめたもので、読みやすい。特にひとり社長に読んでほしいのが「貢献に焦点を当てよ」という章です。
ドラッカーはこう言います。「成果は外にある。顧客への貢献にある」と。
営業で行き詰まっている人の多くは、「自分の売上をどう上げるか」を考えている。でもドラッカーは「お客さんに何を貢献できるか」を先に考えよ、と言う。これが売り込まない営業の本質と、まったく同じ方向を指しています。
ITコンサル35年の現場で3,000社を支援してきた経験から言っても、「貢献から入る会社」と「売上から入る会社」では、10年後の顧客の質がまるで違います。
マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則(Amazon)
5冊目:ゼロ・トゥ・ワン(ピーター・ティール)──競争しない場所で戦うという発想

売り込まない営業の本として紹介されることはあまりないかもしれませんが、僕の書棚では欠かせない1冊です。
ピーター・ティールが言う核心は「競争は負け犬のすること」という、一見過激なメッセージです。でも本をちゃんと読むと、意味がよくわかる。
競合と同じフィールドで戦っていたら、必ず価格競争になる。価格競争になったら、プッシュ型の営業で数を打つしかなくなる。でも「自分だけの価値」を作った会社には、お客さんが向こうから来る。
ひとり社長や先生業の方に当てはめると、「独自のポジション」を作ることが、売り込まない営業の最強の土台になります。ゼロ・トゥ・ワンはその発想の源泉を与えてくれます。
僕が「つながり力」を発信し続けているのも、ITコンサルという競争の激しい市場の中で「つながりで選ばれる」というポジションを作るためです。競争から降りて、選ばれる場所を作る。ティールが言うことと、根っこは同じだと思っています。
ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(Amazon)
本を読んでも変わらない人と変わる人、何が違うのか

実はます──じゃなかった(笑)。実はこれ、僕が一番伝えたいことです。
本を5冊読んで「いい話だった」で終わる人と、3ヶ月後に行動が変わっている人の差は、「一緒に実践する仲間がいるかどうか」です。
僕がBNIで学んだ最大のことは、知識ではなくコミュニティの力でした。毎週顔を合わせる仲間がいて、互いに紹介し合い、フィードバックし合う。その繰り返しの中で、本で読んだ哲学が「体の動き」になっていく。
「つながり力の教科書」という本を書いたとき、BNIで2万人近くと会って気づいたことを全部詰め込みました。その核心は「情報より関係が先」ということです。本を読むのは大事。でもその後、誰と話すかが結果を決めます。
ひとり社長の方が「ひとり社長 営業 書籍」を検索するとき、本当に探しているのは知識だけじゃないはずです。「自分の状況に合った答え」と「それを一緒に実践してくれる場」を求めていると思います。
その「場」として、WOBSを作りました。詳しくは後ほど紹介します。
5冊をどの順番で読めばいいか

ここまで紹介してきた5冊に、僕なりの読む順番があります。
- まず「人を動かす」で「相手に関心を向ける」という原則を体に入れる
- 次に「7つの習慣」で「信頼口座」という長期視点の人間関係設計を学ぶ
- 「GIVE & TAKE」で先に与えることの哲学をデータで確認し、迷いを消す
- 「マネジメント」で「貢献から始める」という経営視点を追加する
- 最後に「ゼロ・トゥ・ワン」で「競争しない場所を作る」という戦略を重ねる
この順番で読むと、1冊目の「人への関心」から始まって、最後に「独自ポジション」へと積み上がっていきます。
哲学→習慣→確信→経営→戦略、という流れで土台が積まれていくイメージです。
逆に、「ゼロ・トゥ・ワン」から読み始めると「競争しない」という概念だけが浮いてしまって、日常の行動に落とし込みにくい。順番には意味があります。
私が実際に使った/読んだもの

今日紹介した5冊の中から、特に何度も読み返したものをここで改めて紹介させてください。
「人を動かす」は、44歳で東京・新橋の飲食店で皿洗いをしながら読み返した本です。自分がどん底にいるとき、人に関心を向けるということの意味が初めて腑に落ちました。営業の原点。読み返すたびに発見があります。
「GIVE & TAKE」は、先義後利という自分の信念を学術的に証明してくれた1冊です。「きれいごとじゃないの?」と言われるたびにこの本を思い出します(笑)。先に与えることの哲学が、データと実例でしっかり書かれています。
「7つの習慣」は、BNIで出会った経営者の多くが「人生を変えた1冊」に挙げる本です。信頼口座という概念は、売り込まない営業を設計するときの骨格になります。
私の実話を、一冊にまとめました ──『つながり力の教科書』

実は、今日紹介した5冊のエッセンスを「どう日常のビジネスに使うか」という実践編として、自分でも本を書きました。
「つながり力の教科書」です(笑)。私自身が書いた本なので手前味噌ですが、BNIで2万人近くと会って気づいたことを全部詰め込みました。売り込まずにお願いされる状態を作るための、具体的な行動設計が書いてあります。
ひとり社長 営業 書籍を探している方に、読んでほしい1冊です。
もっと深く実装したい方へ ── WOBS で

本を読むことと、実際に行動が変わることの間には、思っている以上に大きな溝があります。
僕が1000日連続でWAKUTUBEのライブ配信を続けてきた中で、一番多く受けた相談が「本を読んでわかった気がするのに、実践になると止まってしまう」というものでした。
その溝を埋めるために作ったのが、WOBS(ワクワクオンラインビジネススクール)です。
WOBSは40〜60代の経営者のための6ヶ月講座で、大きく3本柱で構成されています。
- 「つながり力の教科書」をベースにした、売り込まない営業設計の実装
- 「なぜ行動できないのか」というマインドブロックの解除
- AI活用による業務効率化の実践
今日紹介した5冊で言えば、カーネギーの「相手への関心」、コヴィーの「信頼口座」、グラントの「先に与えること」、ドラッカーの「貢献から始める」──これらを実際のビジネスの現場で使える形に落とし込む作業を、仲間と一緒に6ヶ月かけてやります。
受講料は120万円。安くはありません。でも12,500人を支援してきた経験から言って、1人でやるより仲間と場があった方が、結果が出るスピードが10倍変わります。
まず無料の体験セミナーで雰囲気を確かめてください。
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よくある質問
Q. 今日紹介した5冊は、どれか1冊だけ選ぶとしたら?
A. 今の状況によります。「とにかく人間関係を変えたい」なら「人を動かす」から。「先に与えることに半信半疑」なら「GIVE & TAKE」から。「自分のポジションを作りたい」なら「ゼロ・トゥ・ワン」から入るといいです。全部読む必要はなく、今の悩みに一番近いものから始めてください。
Q. 「売り込まない営業」って、結局は売れないんじゃないの?
A. これは本当によく聞かれます(笑)。ITコンサル35年・3,000社支援の経験から言うと、「売り込まない営業」を設計している会社ほど、長期的な売上が安定しています。一時的には売り込む方が早く見えますが、信頼を失った後のリカバリーコストが膨大です。先に与えること、貢献から始めること──これが結果的に最も効率的な営業です。
Q. ひとり社長で営業に使える時間が少ないのですが、それでも本を読む意味はありますか?
A. あります。ただし、読み方を変える必要があります。全部読もうとしない。今日紹介した本なら、各本の「核心となる1章だけ」を先に読んで、実践してみる。その後で全体に戻る。この順番で読むと、時間が少なくても確実に行動が変わります。
Q. 「先義後利」という言葉を初めて聞きました。どういう意味ですか?
A. 「先に与えること、義を先にして利益は後から」という意味です。江戸時代の商人道徳にも通じる言葉で、現代では「ギブ&テイクのギブを先に」という形で実践されています。GIVE & TAKEの本や、僕の「つながり力の教科書」にも詳しく書いています。難しく考えず「相手のためになることを先にやる」と理解してもらえれば十分です。
Q. WOBSはどんな人が受講していますか?
A. 40〜60代のひとり社長・士業・コンサルタント・先生業の方が中心です。「リアルの人脈はあるけど、オンラインやAIが弱い」という方に特に向いています。受講前に無料体験セミナーで雰囲気を確認できますので、まずそちらへどうぞ。
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まとめ

今日紹介した5冊を改めて並べておきます。
- 人を動かす(カーネギー)──相手への関心という原則
- 完訳 7つの習慣(コヴィー)──信頼口座の積み立て方
- GIVE & TAKE(グラントー)──先に与えることをデータで確認
- マネジメント エッセンシャル版(ドラッカー)──貢献から始める経営視点
- ゼロ・トゥ・ワン(ティール)──競争しない場所を作る発想
売り込まない営業を身につけるために本を読むのは、正しい選択です。でも本だけでは完結しない。
リストラされて44歳で皿洗いをしていた僕が復活できたのも、知識ではなく「一緒に動いてくれる仲間とコミュニティ」のおかげでした。東京でBNIと出会い、その後札幌でBGFを立ち上げ、WOBSを作った。すべては「つながりの力」でした。
今日この記事を読んだことを、ぜひ最初の一歩にしてください。次の一冊を手に取ること、そして読んだ後に誰かと話すこと。その両方が揃ったとき、あなたのビジネスは動き始めます。
感謝の気持ちを込めて。
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